「目的と手段」
経済活動をはじめ、世の中のあらゆることには「目的」が存在します。
ですから、会社の在り方、経営には必ず目的が存在します。では、その目的はいったい何でしょうか?
製品やサービスを販売し、利益を上げ、再投資し、売上を上げていく・・・当たり前の企業の姿です。ですが、これは目的ではありません。企業の姿であり、手法です。では目的は何なのか?
当社ではこう考えています。「社員をはじめ、取り巻く人を幸せにする」これがあるべき姿です。みなさん、異論はないかと思いますが、実際に世の中はどうでしょうか。
いつの間にか、本来の目的よりも利益や売り上げが優先され、いつの間にか、目的と手段が変わってしまっている・・・そんな姿が多く見受けられるような気がします。
一つの例をお話しします。
一般に、人件費は経費であり、コストです。人件費削減が経営課題との話もよく聞きます。確かに、経費であることは間違いありませんが、本当に減らすべきものでしょうか?
利益を主に考えれば、確かにそうかもしれません。ですが「人の幸せ」から考えた場合、削減することがいいこととは思えないのです。お金がすべてではありませんが、今の時代、幸せになるためにはお金は必要な要素です。ですから、幸せになるためにはお金、収入を増やす、つまり人件費を増やすことが目的そのものだと考えます。
ですので、業績、利益にとらわれず、当社では毎年、少しずつ社員の収入を増やすことを最も大事にしています。そうすれば、結果として消費が増え、景気の向上につながり、取り巻く人の幸せにつながっていくのだと思います。
福利厚生も同じです。収入が増えることも大事ですが、快適に働ける職場、環境はもっと大事なことかもしれません。どれだけ投資効果があるか、採算性がよくなるか考えることも必要ですが、最も重視するのは、どれだけ快適に仕事ができるか・・・ではないでしょうか。
働く環境をよくすること、快適さを追求することが、目的そのものであり、それが社員の幸せの追求につながっていくのだと思います。