寒天
寒天の科学 寒天とは
寒天の凝固点と融点

 寒天の溶液(ゾル)が冷却によってゲル化する時の温度を凝固点と言い、凝固したゲルが加熱によって再溶解する時の温度を融点と言う。
 寒天の凝固点は33℃〜45℃、融点は85℃〜93℃が一般的である。このように凝固温度と融解温度が異なることをヒステレシス(Hysteresis)と呼び寒天の大きな特徴となっている。
 寒天の凝固点・融点に影響をあたえるものとして、濃度、塩類の添加、糖類の添加等があげられる。特殊な寒天の中には融点が79℃のものや98℃以上の高融点のものもある。
 ゲルの融点
 寒天ゲルの融点は、普通の食品用途で問題になることはないが、特殊な食品の用途、例えば「みつ豆缶詰」の製造では最も大切なファクターである。缶詰の殺菌温度に十分耐えるだけのゲルの融解温度を持っていることが大切な条件である。
 融解点の高い寒天は、一般に天草を原料とするもので、ゼリー強度の高いものほど良いといえ、これに対し、オゴノリを原料とする寒天にも融点の高いものがあるが、使用濃度を1%以下にすると急激に融点が下がることがあるので十分な注意が必要である。市販されているみつ豆用寒天は通常1.5%ゲルについての融点管理だけであるから1%又は1.2%ゲルの融点をチェックする必要がある。
 また、意外と知られていない事は、二種類の寒天をブレンドして使用する場合、それぞれがマイナスに働いて予期せぬような融点の低下もみることである。これは、原料産地の違いや抽出条件の違いによる寒天をブレンドした場合に起こりやすく、単に融点だけでなく、ゼリー強度の場合でも起こることがある。
たまたま前年の使い残りがあったからと言って、新しく購入したものと不用意にミックスして使うことの危険がこの辺にあるわけである。
 凝固点

1.5%の寒天ゾルが冷えて固まる場合、そのゾルの流動性が著しく低下する時点の温度を通常、寒天の凝固点と言っている。
 昔から寒天の凝固点は曖昧で、おおよそ30数℃といわれてきたが、当社の研究室の指摘によると、アルカリ処理をして抽出されたオゴノリ寒天の凝固点は、その抽出条件のいかんを問わず38℃以下になることはまれである。
 用途によっては、例えばヨーグルトの製造や、細菌培地に用いられる寒天のように凝固点が非常に大きな意味を持っているが、実際に使う場合の濃度は1.5%よりかなりひくいので、上に示したような数値よりも低いものと思ってさしつしえない。特にヨーグルトの場合は0.2%〜0.5%と非常に低濃度なので、寒天原料が問題になることはまずないと言ってもよい。
 砂糖が添加されたり高濃度になったりすると、凝固点も高くなり作業性の問題が出てくる。寒天の濃度と、タイプの選択により、10〜13℃ぐらいの差が出て来ると考えてよい。