全国の寒天料理

日本各地には色々な寒天料理があり、甘いものだけでなくお祝いの行事や食卓のおかずとしても並びます。
地図から各地の伝統的な寒天料理を見てみよう!

日本地図

ようかんパン【北海道】

「ようかんパン」は1960年代に、小さなあるパン屋がパンにようかんをかけて売り出したのがはじまりといわれています。特徴は、パンの表面をようかんでコーティングしていることと、パンの中にホイップクリームなどのクリームが入っていることです。

ようかんパン【北海道】

鏡天【青森県】

お盆のお墓参りの際、線香・お花に加えて写真のような法界折りと呼ばれる、折詰めを一緒にお供えします。その中に「鏡天」と呼ばれる寒天ゼリーが入っており、仏様の心を映す鏡という意味があります。

鏡天【青森県】

サラダ寒天【秋田県】

秋田県には「サラダ寒天」という30年以上前から食べられてきた郷土料理があります。きゅうりやにんじん、玉ねぎ、ゆで卵などのサラダをマヨネーズで味付けし、寒天で固めたもの。家庭でも作るそうですが、県内のスーパーにはどこにでも置いているようです。

サラダ寒天【秋田県】

卵寒天【山形県】

庄内地域では甘いデザートとしての寒天が主流で、なかでも人気があるのが「卵寒天」。甘い醤油味で祭りや正月などの祝い事のときにつくられます。食生活に根づいている寒天と、当時貴重品だった卵が結びつき、行事食として親しまれてきたといわれています。

卵寒天【山形県】

色付き寒天【新潟県】

ピンクと緑の鮮やかな色をした寒天は、この地方の年末年始には欠かせない食べ物で、町のスーパーのおせちコーナーには所狭しと並べられます。ほんのりとした甘味とプリプリの硬めの食感が特長。

色付き寒天【新潟県】

べっこう【富山県】

お祭りや正月のおせち料理にはもちろん、祝儀や不祝儀を問わず行事のあるところには必ず出されてきた「べっこう」。その模様が鼈甲のかんざしに似ていることから「べっこう」と呼ばれています。寒天の中に流した溶き卵がむら雲のように美しく、生姜の風味がキリリとした味が富山のべっこうの特徴です。冷たくて口当たりも良く、見た目もきれい。他県では「むら雲寄せ」とも呼ばれています。

べっこう【富山県】

すいぜん【石川県】

輪島の「すいぜん」は見た目は牛乳でつくったところてんのような不思議な食べ物。テングサを煮てもち米の粉を入れ、もち折り(浅い木の箱)に流して固めたもの。輪島独特の精進料理で、刺身の代わりに食されるそうです。厚さ3mm、幅2㎝ほどの短冊状に突き出し、輪島塗の器に四季に合わせて色々な形に工夫して盛り付けられるとのこと。すりごまに味噌と黒砂糖を加えたごまだれを付けながら食べると、コシの強さとテングサ独特の風味が味わえます。

すいぜん【石川県】

ゆべし【石川県】

「ゆべし」はお祭りやお正月の料理に欠かせない食べ物。琥珀色の透き通った中に雲のように卵が散っていて、四角く端然と切られて出されます。お祭り料理の中では押し寿司と共に欠くことのでいない一品だそうで、青みの魚の押し寿司を食べた後、あっさりしたしょうゆ味のゆべしを口触り涼しく食する取り合わせはこの上ないものだったと言われています。

ゆべし【石川県】

水ようかん(でっちようかん)【福井県】

水ようかんといえば、夏に食べるのが一般的ですが、福井では寒い冬にコタツに入って、家族みんなで食べるものだそうです。普通の水ようかんより柔らかく、さっぱりとした味わいと口あたりの良さが特長。糖度が低く、日持ちしづらいことから気温の低い冬場に食べられるようになったのではないかと言われています。

水ようかん(でっちようかん)【福井県】

天寄せ【長野県】

長野県は「寒天のふるさと」といわれているだけあって、茅野・諏訪地方ではいまでもお祝いの席や寄り合いに、必ずといっていいほど「天寄せ」が並びます。煮溶かした寒天に酒や醤油、砂糖、塩などで味付けし、くずした豆腐を加えたものが有名ですが、そうめんやそば、卵、ほうれん草などが入ったものもあります。マヨネーズ味のサラダやかぼちゃのマッシュを固めた「かぼちゃかん」もあります。

天寄せ【長野県】

ニッキ寒天【岐阜県】

スーパーで見かけるピンク、緑、黄色のカラフルな寒天は「ニッキ寒天」といい、ニッキのピリッとすっきりした風味が特徴。後を引くおいしさで寒天独特の食感が昔懐かしい寒天のお菓子です。昔から岐阜や尾張地方でよくおやつに食べられているそうです。

ニッキ寒天【岐阜県】

サイダーかん【静岡県】

富士市の学校給食オリジナルメニューの「サイダーかん」。サイダーのシュワシュワ感が子供たちに大人気の一品です。

サイダーかん【静岡県】

竹ようかん【三重県】

三重県の尾鷲(おわせ)地区。竹筒に入れて固めた「黒糖寒天」をひな祭りなどのお祝いの際に、子供に振る舞うとされています。

写真提供:三重県尾鷲農林水産事務所

竹ようかん【三重県】

錦玉【京都府】

寒天を煮溶かし砂糖や水あめを加えて煮詰め、型に流し入れて固めた和菓子の一種。透明な美しさを生かし、異なる色のものを合わせたり、練り切りやあんで作ったあゆ・金魚などの風物やみつ漬けのあずきなどを中に入れたりして、夏の情緒をあわらしたものが多くつくられます。

錦玉【京都府】

色つき寒天【山口県】

赤、白、緑色をした甘みのある寒天は、おせち料理に彩りを添えるものとして各家庭で作られていました。最近では市販のものを利用する人が多く、年末になると町のスーパーのおせちコーナーに大量に並べられるとのことです。

色つき寒天【山口県・長崎県】

三色ようかん【高知県】

高知の郷土料理「皿鉢」は、お正月や婚礼、祝い事につくられます。江戸時代に武士の本膳料理に彩りを添えるため、大皿に盛った料理を出したことが始まりといわれています。老若男女問わず同じテーブルで楽しめるようにさまざまな料理が盛り込まれるようですが、甘味として羊羹は必須で、夏は水羊羹、冬は蒸し羊羹、三色羊羹は年中あります。

三色ようかん【高知県】

くろがねようかん【福岡県】

大正時代に世界遺産 官営八幡製鉄所で、従業員の栄養補助のために作られた羊羹。鉄を意味する「くろがね」を商品名にしています。大変な肉体労働の体力回復のために、強い甘みが出る上白糖を使っています。また、サイズは13cmとコンパクトに作られているので、昼夜を問わず製鉄所で働く方の作業着の胸ポケットに差して休憩中にかじっていたといわれています。

写真提供:北九州観光コンベンション協会

くろがねようかん【福岡県】

小城ようかん【佐賀県】

江戸時代の鎖国体制の中、長崎県出島に荷揚げされた砂糖は、『シュガーロード』と呼ばれる街道で佐賀・小倉を通り、京、大坂、江戸へと運ばれて行きました。街道沿道は砂糖だけでなく、菓子作りの技法などの情報も入手しやすかったため、佐賀県小城市では羊羹づくりが発展しました。小城羊羹は、羊羹表面を砂糖で結晶化させたシャリっとした食感が特徴です。

写真提供:村岡総本舗

小城ようかん【佐賀県】

色つき寒天【長崎県】

赤、白、緑色をした甘みのある寒天は、おせち料理に彩りを添えるものとして各家庭で作られていました。最近では市販のものを利用する人が多く、年末になると町のスーパーのおせちコーナーに大量に並べられるとのことです。

色つき寒天【山口県・長崎県】

各地のところてん

夏のごちそうとして、江戸時代から庶民に愛されてきたところてん。いつ頃からか定かではありませんが、ところてんは関西以北および中国地方以西では二杯酢あるいは三杯酢をかけたものに和がらしを添えて、関西では黒蜜をかけて、東海地方では三杯酢をかけたものにごまを添えて食べるのが一般的とされているようです。近頃はご当地の産物とコラボしたところてんも数多く市販されています。

三杯酢【関東】

三杯酢【関東】

しょうゆ、酢、砂糖を混ぜたタレをかけ、のりや和がらし、ごまを添えて食べる。

黒蜜【関西】

黒蜜【関西】

昔から関西では甘いおやつとして食べられている。そのまま食べたり、フルーツと一緒に食べることも。

かつおだし【高知県】

かつおだし【高知県】

口に広がるかつお出汁の旨味が効いたさっぱりとした味で、つゆごと味わうところてん。おろししょうが、ねぎ、ごまなどをのせるとよりおいしい。

わさび【静岡県】

わさび【静岡県】

伊豆のわさびを練り込んだところてん。わさびドレッシングとごまでさっぱり。ほんのりワサビの香りがする。

梅蜜【和歌山県】

梅蜜【和歌山県】

紀州南高梅を使用した淡く桃色に染まったところてん。まろやかな甘酸っぱさが特徴。

黒酢【鹿児島県】

黒酢【鹿児島県】

鹿児島福山産の黒酢を使用したタレで食べるところてん。香りよく、粘りがある。

ゆず蜜【和歌山県】

ゆず蜜【和歌山県】

紀州の特産物であるゆずを使用したところてん。さっぱりとした甘酸っぱさと薄黄色が特徴。

 

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