寒天
寒天の科学 寒天とは
寒天の糖反応

 寒天が和菓子等に応用される場合には、砂糖、ブドウ糖、水飴等の糖類と伴用されることが多い。寒天は糖顆を添加するとゼリー強度は増加する。また糖度が40%以上になるとゲルの透明度が増してくる。寒天と糖類との反応は、寒天の種類、糖の種類、糖の濃度によって異なっている。
 ただ単に硬さを要求する場合には、水ゲル強度に対する糖ゲル強度の増加率の高い寒天が望ましく、羊羹や細工物と言われる菓子には増加率の低いものが好まれ、粘弾性に富むいわゆる腰の強いゲルを作る。
 シュガーテストとは・・・
 寒天4g、グラニュー糖250gを水200ccに溶解し、冷やし固めたゲルのゼリー強度を測定したもの。
 従来、寒天を評価するには1.5%の水ゲルのみが考えられていた。アメリカでは寒天の最大の用途がアイシングであったことから早くから糖との反応ということが研究され、シュガーテストと称して品質管理に加えていた。日本でも寒天は羊養、ゼリーなどのように糖と合わせて使われることが多いことから、当社ではいちはやくこのシュガーテストを品質管理の重要な項目として導入している。
 オゴノリをアルカリ処理することによって得られる粉末寒天が始めて世に出た時、多くの菓子メーカーは、凝固力が強いと言って喜んで使用したが、やがて「もろい」とか、「固すぎる」とか言って粉末寒天を粗悪品扱いするようになった。これは、シュガーテストを無視して計算した寒天使用量が多すぎたことによるものであることは言うまでもない。
 当社の研究結果では、一般的にシュガーテストが高いものは、オゴノリをアルカリ処理して得られた寒天で、天草(マクサ)を原料として作られた寒天はシュガーテストが低い。わが囲や韓国産の天草はアルカリ処理の効果は少なく、チリー産やモロッコ、ポルトガル等の天草はアルカリ処理によってシュガーテストの高い製品が得られることが知られている。
 凝固力だけを寒天に求めるならば、砂糖を多く使う用途であれば、シュガーテストが高いほど使用量が少なくて済むのは当然の理で、欧米では、シュガーテストの高い寒天が一般的に良い考天と言われている。
 日本の場合、日本人特有のデリケートなテクスチャーを大切にするためと、後述するシネリシス(保水性)の問題とからんで、昔から使っている糸寒天が最も安心だと思っている菓子職人がまだいることは、私達粉末寒天メーカーのこれからの啓蒙活動のあり方を示唆しているように思える。
 寒天のタイプ別のシュガーテスト
寒天の種類
水ゲル強度
シュガーテスト  
角寒天 300g /cm2 290g /cm2
糸寒天 400g /cm2 400g /cm2
粉末寒天 Z-10 500g /cm2 510g /cm2
粉末寒天 S-7 720g /cm2 850g /cm2